注文住宅で間取りや外観など設計の部分が終わったから後はもう問題ない、と考えている方も多いのではないでしょうか。
安心しきった結果、最後の引き渡しでの行動により全てが台無しになってしまった、という例もあるため、最後まで気を抜いてはいけません。
今回は、引渡しの流れと、引渡しで大切なポイントについて解説します。
□新築の引き渡し当日の流れとは?
新築の引き渡しは主に4つのステップがあり、建設会社や現場監督の進め方、説明のタイミングによって変動しますが、一般的には1時間から2時間で終わります。
1.施主検査における修正箇所の確認
引き渡しの2週間から3週間前に行う施主検査で依頼されたキズの補修が完了しているかについて、現場監督と施主が一緒に建物の内外の仕上がりを確認します。
2.機材・設備の説明
給湯器の注意点やメンテナンス方法、換気設備のメンテナンス方法、太陽光発電システムの使い方、全館空調や床暖房の使い方、配電盤の使い方などについて、建物の内外全てを周り、一つずつ説明を受けます。
3.各設備の説明書や重要書類の受け取り
住宅ローン控除やこどもエコすまい支援事業などの補助金の申請、今後のメンテナンスやリフォーム、各部材や設備の保証書に使われる、大きなファイル1冊か2冊ほどの量の重要書類や説明書を受け取ります。
4.鍵の受け渡し
建設中、工事関係者は工事専用のカギを使って家に出入りしているため、鍵の受け渡しの際に施主の前で工事専用のカギを使えないようにします。
カードキーの場合はその使い方について説明を受け、鍵を受け取り、引き渡し証にサインしたら引き渡しは完了です。
□新築の引き渡しで後悔しないためのポイントは?
最も大切なのが、完成前の引き渡しを避けることです。
引き渡しは建物が完成してから行われるのが鉄則ですが、決算日までに納品したいから書類だけ記入してほしい、年末までに入居したことにすればその年からローン控除を受けられる、などの理由で迫られるケースがあります。
しかし、書類にサインすることは、注文住宅を建てる契約が完了したことを認めたことになります。
そのため、なかなか工事を終わらせてもらえなかったり、キズや不具合があった場合に追加で費用をとられたり、最悪の場合には未完成のままハウスメーカーが倒産してどうにもならなくなってしまうこともあります。
書面上で契約完了を認めた場合にはハウスメーカーの対応がなくても法的に責任を問えない可能性が高いため、引き渡しは必ず建物が完成してからにしましょう。
□まとめ
後で説明書を読めば問題ないと気を抜いた結果、エコキュートの誤使用によりすぐ故障し多額の修理費用がかかってしまったという失敗例もあります。
建設会社の説明は注意深く聞き、説明書についても、どこに保管してあるかしっかりと把握できるようにしておきましょう。