冬になると、家に帰った時に玄関が寒い。
そんな悩みを持つ住宅は少なくありません。
玄関が寒くなる要因としては隙間風、玄関ドアから熱が逃げる、土間の断熱性の低さなどが挙げられます。
この記事では、そんな玄関が寒くなる一因である土間の冷えについて解説します。
□土間断熱の必要性
土間断熱とはあまり聞いたことがないかもしれませんが、最近は北海道のような寒冷地域において土間をはじめとした基礎断熱が関心を集めています。
そして、実はカナダやスウェーデンなどの北米、北欧地域においては、昭和60年代にはすでに、室内の土間下の断熱は家の断熱に効果的だとされていました。
かつては床下断熱により冬の暖房負荷を軽減できるものの、夏に地盤の涼しさを室内に取り込めなくなり、経年劣化により冬季の熱損失も落ち着いてくるため土間下の断熱は必要ないとされてました。
しかし、ここ最近になって、二つの観点から土間断熱の必要性が浮上しています。
一つ目は、次世代住宅に求められる高断熱基準の実現には、基礎断熱とは別に土間断熱のように他の断熱方法も必要になっていることです。
二つ目は、土間下全面の断熱によってカビが発生しにくくなるという結果が出ていることです。
□土間の断熱性能を高める方法は?
土間の冷えを解決する方法は大きく分けて二つあります。
一つ目は床材の張り替え、部分断熱、DIYで断熱材などを敷く方法です。
床材の張り替えは、石材のように冷える素材からフローリングやクッションフロアなど温かみのある素材のものに張り替える方法です。
冷えは改善されますが、水での洗い流しができなくなる、汚れや傷がつきやすくなる、安っぽい雰囲気になる恐れがある、などのデメリットがあるため注意が必要です。
部分断熱は、お気に入りの玄関の床材はそのままに、部分的な床断熱をする方法です。
住宅全体の床断熱をする場合は有効な手段ですが、玄関の土間だけを部分断熱しても費用対効果が悪くなってしまいます。
DIYで断熱材を敷く方法は、断熱材を敷いた上からベニヤ板とクッションフロアを貼る方法で、手間はかかりますが他の方法に比べて費用を大きく抑えられます。
二つ目はドアマットを敷く方法です。
土間の雰囲気を壊したくない方やDIYが厳しい方におすすめの方法です。
ドアマットを敷くだけなので多少の冷えは改善でき、おしゃれなタイルの土間をそのままにしておけますが、完全に断熱できるわけではありません。
□まとめ
今回は、土間断熱の必要性と、土間の断熱性を高める方法について解説しました。
家の断熱を考える時に見落とされがちな土間断熱ですが、この記事を参考に、ご自宅でも土間断熱を取り入れてみてはいかがでしょうか。